Steel Craft テストVer.

■OHBA堂
■オリジナルシステム
■横スクロールシューティング
■全年齢
■1900円
http://park14.wakwak.com/~ohba/



                                 (2004.09.15)
▼あらすじ
かつて、世界の覇権を握ろうとした国があった。
発掘した遺跡の力を使い、他国を蹂躙していく姿に人々は恐れ、嘆いた。だがその力は人の扱えるものではなく、やがては帝国自身をも灼いてゆく。無差別に解き放たれる力に絶望し、滅亡を待つだけになった世界。
その時、蒼穹に飛び立った少女4人。彼女らの活躍により災厄は去り、やがて世界は平穏を取り戻していった。

あの事件から6年……。
疲弊した帝国を脇目に勢力を増していくセイリュース神殿。人々の信仰と信頼を得て、その力は他国をも圧倒してゆく。そして、世界に満ちるエネルギー「マナ」を司る「世界樹」の独占と帝国への宣戦布告を宣言するのだった。
▼概要・システム
 好評を博した横スクロールシューティングの続編。世界観を継承しており、前作のキャラも登場している。使用できるキャラクターは3人で、オプションが3種類の中から1つを選択してプレイできます。なお、このレビューはVer.1.10がベースとなっています。少し前のVerについて記述することもあるやもしれませんが、その点は注釈つけるのでご勘弁を。また、本サイトの「ご案内」にも明記してありますが、このページに載せている画面写真は、OHBA堂さんの許可を受けて使わせて頂いているものです。改めて記載しますが、転載禁止です。厳禁です。そんなことしたら、めーなのです。

 ゲームのモードは、通常プレイの「GAME START」、クリアした(到達した?)ステージを選んで練習ができる「STAGE SELECT」、スコアランキングが確認できる「RESULT」、プレイ環境の変更ができる「OPTION」の4つ。「OPTION」の項目は、難易度変更、画面の明るさ、サウンドのON/OFF、SEのON/OFF、描画頻度、画面エフェクト、自動低速移動(後述)のON/OFFの7つ。
 難易度に関して言えば、普通でも結構易しめな印象があります。Verが上がった際に少し難易度変更されたようですが、それでも難しくはないと思います(ノーマルの話です。他の難易度は分かりません)。だいぶ腕が鈍った私でも、初プレイでクレジット使い切らずにクリアできたぐらいですから。まだノーコンティニュークリアできていないので、「難しい」は試してません。ごめんなさい。
 システムに関わる描画については、「OPTION」での変更のほか、ゲームを起動したときに「画面モード」「テクスチャ品質」「画面Bit数」を好きなように決めることができます。すべての項目を推奨にすると綺麗な画面でプレイできますが、それなりのマシンパワーを必要とします。ウチは画質落とさないと、ちょっとプレイが重く感じますね(※1)。ウィンドウモードはかなり重くなります。撮影のためにウィンドウモードで少し遊びましたが、長時間遊んでいるとツールバーの表示が変になったこともありますので、よっぽどマシンパワーがない時以外はフルスクリーンで遊ぶのが無難だと思います。

 さて、メインとなるゲームのシステムですが、基本は十字キー(たぶん8方向)、攻撃ボタンとボムボタン。攻撃は2つのボタンで前方攻撃と後方攻撃の2つを使い分けることができます。攻撃はセミオート連射になっていています。また、攻撃ボタンを押し続けることで「エンジェリックタイム(ゲージマックス時にはエンジェリックエンブリヲ)」という攻撃に変化します。この攻撃は装備しているファミリア(オプションみたいなもの)によって違い、画面下部のゲージの分だけ使用することができます。「エンジェリックタイム」は通常の攻撃に比べて威力が高いだけでなく、画面全体をスローモーション状態にすることができます。スローモーションにすれば弾幕の海の中もすいすいと動き回れますので、「俺ってちょっとスゲー」と錯覚させつつ、遊びやすいゲームバランスにするのに一役買っています。事実、これがないだけで、かなり難易度が上がるのではないでしょうか。腕自慢の方には、「OPTION」の自動低速移動をOFFにすればカットすることができます。

 スコア至上主義者のためのシステムも豊富です。連続して倒すことで倍率を上げていくコンボシステムと、それに付随するハイテンションボーナス、必殺攻撃をしてきたボスを早く倒すことで得られるボス弾幕ボーナス、エンジェリックシステムと直結したマナ結晶錬成システム(接近して倒せば、より高得点の結晶を錬成できる)などがあげられます。今回はネットランキングをやってませんが、上級者はどれぐらいのスコア叩き出すんでしょうねぇ。
エンジェリックタイム・エンブリヲモードになると、自機のアタリ判定(赤い丸)が見えるようになる。この赤い丸に敵弾を触れさせなければOK。かなり小さい。 個人的におっ、と思ったのが、ゲージなどの移動。画面下部にキャラクターが移動すると、画面上に表示が切り替わる。細かいけど、心配りの効いた良い仕事です。

▼シナリオ・テキスト
 シナリオというか、ストーリーに関しては若干問題あります。そもそも、シューティングにストーリーなんてなくてもいいんだから、評価の対象にはならないだろうという意見もあると思います。でも、このゲームに置いては、敢えて書いておかねばならぬ点があると感じています。
 
 ストーリーは、『ANGERAZE2』というゲームの世界観がデモムービーで少し紹介されます。ですがこれはバックグラウンド的なもので、『ANGERAZE2』のストーリー紹介にはなっていません。とはいえ、なくても何とかなる部類ではあります。 次にキャラクター紹介ですが、これについてもありません。ないならないで、あまり問題はなかったりします。
 この二つについては、マニュアルにも記載されていません。
 なお、ステージ開始時には『斑鳩』ばりのポエムっぽいテキストが挿入されます。これはたぶん、ストーリーを見せるというよりは、演出っぽいものだと思います。表示時間が短いとはいえ読めなくはないのですが、読んだところでイマイチ意味わかりません。

 ではいったい何が問題なのかと言えば、ゲーム中に挿入されるキャラクター間の会話シーンです。中ボスやボス扱いのキャラクターとプレイヤーが操るキャラクターが遭遇すると会話が始まるのですが、予備知識がないためまったく盛り上がりません。むしろ、「何言ってんだ、こいつら」とか、「っていうか、誰それ?」とか、「すいません、事情がさっぱり見えません」という感じで少々しらけてしまいます。プレイヤーは完全に置いてきぼりなのです。別にシューティングの途中に会話シーンを入れるな、ということではありません。ただ、そういった演出でストーリー的な盛り上がりを見せようとするなら、その前提となる知識をROM内(マニュアルとか)に入れて置いてほしかったということです。そのキャラクター間の会話シーンですが、テキストが3ライン以上になると非常に読みにくくなります。これはデザイン上のミスかな。


 現在、ストーリーやキャラクターの紹介は、サークルサイトに掲載されてます。ですが、これらが掲載されたのが2004年9月3日。遅きに逸したとまでは言いませんが、イベント後、半月ほどの間、目にすることができなかったという事態は、あまり誉められるべきところではないような気がします。これらの情報は修正パッチに組み込んで、オフラインで見られるようにしてもいいんじゃないかなと思います。次回は、こういう事がないようにしてもらいたいですね。
▼イラスト・グラフィック
 ドット絵サイコー! と叫んでもいいぐらい素敵です。大好きです。ドット絵は世界共通の文化です、職人芸の世界です。でも、すべてのキャラに関して絶賛というわけではなかったりします。自機キャラクターやファミリアはかなり力を入れて描かれており、パターンもそれなりにあります。小さな雑魚キャラも細かく、シャープさが気持ちいいです。しかし、画面に対して1/6以上の中型〜大型キャラ(ボス含む)は、全体的に丸っこいフォルムでシャープさに欠けています。小さめに描いたキャラクターを拡大して使っているような感じで目に見えてドットが荒く、格好良くありません。激しい動きをするための丸いフォルムの集合体なら納得できるのですが、特にそういうことではない(砲台とかはちょっと動きますが)ので、ここはちょっと残念なところです。これは多分に私の趣味で、「カッコイイメカ=シャープな形状」というのがイメージにあるからということも明記しておきます。
 キャラクターイラストやゲームで挿入されるバストアップCGについては、文句ない出来だと思います。
 背景はポリゴンで作られているものを、高速スクロールなどの演出で見せているのではないかと思われます(この辺りは知識不足なんで違うかも)。中盤のステージになると、モデリングされた橋桁や世界樹、遺跡などがグリングリン動いています。綺麗でスピード感のある背景なのですが、背景の角度が変化するだけで、同じような背景が繰り返されているために単調な印象があります。モデリングされたオブジェクトも、ほとんどステージと絡んでいないため、ただ背景にあるだけ感が強いのが残念です。その中でステージ3は、スクロールと背景演出、敵との連携が見事な面だと思っています。一番好きな面ですね。
 爆発やエンジェリックタイムなどのエフェクトは、派手派手です。そのためか、敵が見えなくなることがあります(弾を見失うことはない)。ま、許容範囲かな。

▼サウンド・SE
 ロック調というか、そんな感じの曲がそろっていてノリがいいです。血沸き肉踊るとは言い過ぎかもしれませんが、そういった感じにさせてくれる曲揃いでシューティングには不足なしです。SEもまったく問題なく、ゲームを盛り上げるのに一役買っている出来だと思います。
▼総評
 昨今の流行に乗ってか、ボスを始めとする段幕ぐあいがなかなか派手なゲームです。とはいえ難易度はほどほどなので、初心者へも安心して勧められる「普通の」横スクロールシューティングです。『ANGERAZE2』を遊ぶ前にやっていた横シューが『グラディウスV』だから、余計にそう思うのかもしれません(苦笑)。

 でも、手放しで絶賛できるものでもないかなと思ってます。背景の変化のなさとステージ構成の単調さが、ちょっと物足りなさを生んでいる気がします。ステージ構成の単調さというのは、敵の出現・攻撃パターンがどうとかではなく、構成自体が「雑魚→中ボス→雑魚→ボス」とほぼパターン化してしまっているのです。『グラディウスV』のように狭い通路でを戦闘を余儀なくされたり、知らなきゃ絶対クリアできないだろコレ! といった意地悪さが欲しいというわけではなく、もうちょっとメリハリの利いたステージ構成にして欲しかったなというところなのです。

 同人というカテゴリーで見れば、どの要素も高いクオリティのソフトであることは間違いありません。ただ、どこか物足りなさを感じるソフトでもあります。正直なところ、1900円というのはちょっと高いかなぁと思っています。1500円ぐらいだったら、文句ナシで勧めちゃうところなんですけどね。

 なお『ANGERAZE』及び『ANGERAZE θ』は遊んでました(かなり記憶は薄いです)。かなり時間が経っていてアレですが、『ANGERAZE』の方が難しかったような印象が残ってます。『とびトウカ』は遊んでません。あしからず。


※1 ウチの環境。グラボ以外は十分満たしてるので、もうちょっと性能の高いグラボじゃないとウィンドウモードで快適に遊べない模様。64M以上は必要かな?この環境でフルスクリーン・画質最高を選択の場合、やっぱり若干の処理落ち?が見られるので、最高の環境で遊びたいならオフィシャルの動作環境より若干上の性能を目指した方がいいかもしれません。

Operating System: Windows 2000 Professional (5.0, Build 2195) Service Pack 4
Processor: Intel(R) Pentium(R) 4 CPU 1300MHz
Memory: 640MB RAM
DirectX Version: DirectX 9.0b (4.09.0000.0902)
Card name: NVIDIA GeForce2 MX 100/200


あと、眼鏡属性はデフォルトで搭載してるんでバッチリ問題ないです。はい。
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