紅月と朱刃の人影

■寄集め(仮)研究所
■吉里吉里2/KAG3
■サウンドノベル
■全年齢
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                                 (2004.01.12)
▼あらすじ
街角でぶつかる肩と肩。若い女性と、野卑な男。それだけならば、ただの日常だが、この些細な事が始まりとなった。
仲間とともに男は、女性を執拗に追いかける。逃げる女性は、いつしか路地裏へ入り込み、やがて追いつめられてしまう。受け入れたくない未来を想像して助けを呼ぶ女性と、これから始まる楽しい祭りを想像して下卑た目で見つめる男たち。一歩、また一歩近づく男たちは、いつしかその動きを止めた。おびえる女性が見たものは、男たちに刃物を突き立てて殺す人の影。血煙によって紅く染まる月を従え、血の海に佇んでいた。

こうしてまたひとつ、街に事件が訪れる。
▼概要・システム
 あらすじだけでボリュームの1/3ぐらいはいってそうな、サイコっぽい香りのサウンドノベル。一応、完成品です。
 システムは吉里吉里をごく普通に使用してますが、右クリック系の処理がおざなりで、プレイ中3回(タイトルでは2回)連続で押すとエラーが出てフリーズする。さすがにこれぐらい気づかなかったのかと、あきれ気味です。
▼シナリオ・テキスト
 シナリオはもう、短距離を全力疾走というのがピッタリ。主人公は彼氏持ちの女刑事さん。ゲーム内日数は2日で選択肢は3ヶ所。ラスト以外の選択肢はどれを選んでもストーリーは大きく変化しません。一応ちゃんと終わってはいますが、「どうしてそうなったのか」という点が全く説明されずに終わってしまうので、ディスプレイの前で取り残された感じです。しっかりオチは作っておけよ! ってな気分。プレイ時間は15分ぐらいかな。
 テキストまわりは、取り立てて言うことなし。読んでいて面白くないから書くことがない、というほうが正しいかも。退屈です。
▼イラスト・グラフィック
 正式にはどうだか分かりませんが、サウンドノベルと紹介しましたとおり、キャ
ラクター関連のグラフィックはシルエットのみです。シルエットは全身のものを使用しており、画面中央から下ぐらいに表示されています。このシルエット、手書きというより、デジカメで人を撮って切り抜いたような雰囲気です。白い縁まで残ってたりと、処理が粗く、いろんな意味でものすごい違和感ありまくりです。背景は基本的に実写ですが、一部でCGを使ってます。
▼サウンド・SE
 BGMのたぐいはエンディングのみ。車のアイドリングやエンジン音、携帯の着メロを始めとするSEは結構入ってます。きっと愛車の音なんでしょうね。OPにも足音やら心臓音が入ってますが、見る(聴く?)べきところはありません。
▼総評
 全体的に見てもクオリティは低い。
CG関連はともかく、テキストほか特別注目すべきところはありません。せめてシナリオが尻切れトンボじゃなく謎解きを含めてちゃんと終わってれば、もうちょっとだけ評価は上だったかもしれません。
 習作として短編ものを作ったのかもしれないが、それならそれで不具合なく遊べるものにして欲しかったと思う。これを最後にサークルは解散したそうですけど、制作の中心となった方々はこれからも同人ゲームを作ったり、創作小説を書いたりなさるそうです。
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