exception

■primitiv
■オリジナルシステム
■全方位スクロール物量系アブストラクト系シューティング
■全年齢
■1000円
http://i-saint.skr.jp/

                                 (2009.04.01)
▼概要・システム
 特異な印象の全方位スクロールシューティング。プレイヤーが任意にスクロール方向を決められるのではなく、基本的には右に流れる横スクロールシューティングだが、途中上や下にスクロールする場面があるタイプ。現在のバージョンはversion 1.10で、レビューはこれがベースとなっています。なお、ゲーム起動時にバージョンがアップされていると、自動でパッチをダウンロードしてくれる親切仕様です。親切かどうかは紙一重なところもありますけど。
 ゲームのメニューは、「start」「record」「config」の3つ。
「start」は通常のゲームモード。ステージは全5ステージで、そのステージをクリアすれば、そのステージのみプレイできるようになる(ただし、そのステージのみのプレイとなる)。難易度は4つ。敵破壊時の破片の数やカタパルト(後述)の使用に必要なエナジー量、破片を叩きつけた時のダメージ、ボスの耐久力と撃破時のタイムボーナスが変化する。また、ネットワークを介して協力プレイとかできるようですが、さすがに旬は過ぎたのか誰もいらっしゃらないので、試せてません。
「record」では、リプレイデータの再生と、各モード別のネットランキングの閲覧や投稿ができる。ランキングはバージョンが合っていないないと、表示されない。
「config」の項目は、「画面解像度」「画面モード切り替え」「VSyncON/OFF」「頂点バッファON/OFF」「追加光源ON/OFF」「ブラー無効化ON/OFF」「30fps固定」「シェーダON/OFF」「背景簡略化ON/OFF」「自動アップデートON/OFF」「FPS ON/OFF」「OBJ数表示ON/OFF」、BGMやSEボリュームの変更ができる。これついては、別ファイルのexception_config.exeでも変更することが可能。exception_config.exeでは、キーコンフィグなども行うことができる。なお、プレイ中にESCボタンを押すとポーズがかかり、コンフィグ内容を変更したり、タイトルに戻ることができる。

 ゲームのシステムは、ライフゲージ制。敵の攻撃を受けたり、敵や地形と接触すると減っていき、ゲージが0になるとゲームオーバー。ただし、ライフは自然回復していくので、減ったままということはない。また、短時間に連続ダメージを受けると、数秒間の無敵時間が発生します。スコアはあるが、それにより自機が増えるなどといったメリットはない。ただ、カタパルトでHitを上げることでスコア倍率を上げるというボーナスは存在する。
 難易度はちょっと高め。何をすればいいのかわからないというちょっと理不尽な難しさや、敵の数に圧倒されて対処できずに圧死するというパターンが多い。特に3ステージ以降は、対処法を知らないとオブジェクトに挟まれて速攻ライフ減少→死亡、という場面が多々ある。色味の少なさもそれに一役買っていそうな気がします。難易度を変更しても、クリアのための攻略法にそれほど差は出てこないため、ある程度対処法を知っているのなら低難易度の方がクリアしづらいかもしれない(逆に対処法さえ知っていれば、高難易度でもなんとかなるバランス)。

 操作方法は、方向キーによる4方向移動で、攻撃はレーザー、レイ、カタパルトの3つを使い分ける。攻撃方向はボタンを使って任意に変更することができる。また、キーボードによる操作や、キーボードとマウスを併用してプレイすることも可能。
 レーザーは基本的な攻撃方法。自機の向いている方向に一直線に攻撃することが可能。多少の貫通力はあるみたいだけど、過信は禁物。
 レイは、みんな大好きロックオンレーザー。自機に近いところからロックが始まっていき、最大で100までロックすることができる。が、そこまで待ってると自機がヤバイことになりかねないので、やっぱり過信は禁物。
 カタパルトはエナジーゲージが一定量以上あると使用可能な攻撃。自機の向いている方向にいる敵を吹き飛ばすことができる。敵を吹き飛ばせる範囲はエナジーゲージの量によって3段階に変化し、より広い範囲の敵を吹き飛ばすことが可能になる。吹き飛ばした敵を敵にぶつけることで破壊するときにHit数を増やすことができ、それによってスコアに倍率をかけることができるようになる。
 なお、それぞれの攻撃はパワーアップすることはなく、また同時に使用することができない。
▼シナリオ・テキスト
 ない。ただひたすら立方体か直方体を壊していくだけ。
でも、クリア後のメッセージを見ると色々と想像できるかもしれません。ホント勝手な想像ですけれども。
▼イラスト・グラフィック
 グラフィックの基本は立方体。敵の基本形も立方体または直方体で、自機よりも大きいものもある。これが無造作に突っ込んできたり、慣性や重力の法則に則ったような動きをする。非常にシンプルかつソリッドなキャラクターで、幾何学的な美しさがある。
 背景は基本的に黒で、そこに青白いラインで描かれる幾何学的な模様が美しい。敵オブジェクトのベースカラーはグレー、壊せないオブジェクトは紺、敵の弾は赤といったように、色でオブジェクトの属性が大まかに判別できます。この中で紺のオブジェクトは背景に沈んでしまうため、視認しづらく接触してしまいやすいのが難点。オブジェクトの無機質さと色味の少なさがシンプルなこのゲームですが、敵破壊による爆発の派手さがそれを緩和しているようでもあります。ただ、configでブラー無効をOFFにしていると、敵爆破時(特に最大カタパルト時に大量の敵をぶつけて壊したとき)に目がチカチカしてゲームになりません(笑) 個人的にはOFFにしておくことをお勧めします。
▼サウンド・SE
 使用されている曲数は、タイトルと各ステージ、ボスの全7曲。どれもゲームを盛り上げるのに文句なし。個人的にはステージ1のイントロ部分がサイコーに好き。どの曲を聞いていても、ひしひしとした追いつめられ感がするのは単にゲームのイメージが自分の中にこびりついているからなんだろうか。曲のファイルはoggなので、単体で聞くことも可能。また、CD版はゲームで使用されている7曲と、未使用曲とアレンジ曲の2曲の合計9曲がCD-DAで収録されてます。
 SEはフリーのものを使用しているらしい。いい感じで爆発音が使われています。
▼総評
 すべてのデザインが立方体を基本としており、これを手抜きと見るかセンスあるシンプルさとみるかで印象は大きく異なると思う。
 しかし、シューティングゲームとしては、原点に近いものがある。すなわち、対象を破壊して破壊して破壊し尽くす。一応スコアはあるけどそんなものは二の次で、とにかく破壊することに対するカタルシスが半端じゃない。
 ただ、色味の問題で一部のオブジェクトが非常に見づらいことや、ステージギミックが分かりづらいため初見でのクリアは難しく、納得できないところもあるかも。また、全体的な難易度の高さも加味すると、あまり一般受けはしないかもしれない。それに加えて、結構なハードスペックを要求しているため、ますます一般のPCではつらいかもしれない。でも、個人的に遊んでいて楽しく、また気持ちの良いゲームです。

 難易度がちょっと高めで非常に人を選ぶタイプのシューティングゲーム。一応スコアボーナスがかかるシステムは搭載されているけど、それほど過剰なボーナスはかからないので、ハイスコアラーにはちょっと物足りないかもしれない。同人らしい尖ったゲームを遊びたい人や、避けるよりも破壊するタイプのシューティングを求めている人にお勧めしたいソフトだ。
 が、これがアーケードに移植されるというのだから、世の中わからない。でも、ボタン足りるんだろうか? レバーに攻撃ボタン3つ、さらに向きを変えるボタン(2つ必要)となると、コンパネのレイアウトどうなっちゃうんだろ? まさかのループレバー復活か?(苦笑)

 あ、いきなり自説を変えるのもなんだけど、ある意味ブロック崩しみたいなところもあるかも。
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