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                                (2004.01.28)


二十四季 −穀雨−(後編)

▼総評
 トータルで約1時間ほどのボリュームかな。
『パイロット版』とは変わった新しい『二十四季』紹介版、および「ファンディスク」と
いう位置づけになります。出来の方もなかなかいいと思います。特にグラフィックを
始めとするビジュアルイメージ全般のパワーアップは目を見張ります。ただ、『パイ
ロット版』を遊んだ人は、「眠る蒼黒の教室」でのキャラクターたちにちょっと違和感
を感じるかもしれません。個人的には『パイロット版』の方が「らしかった」と思えて
しまっています。『パイロット版』遊んだ直後だから、そう感じたのかもしれません。
 この『穀雨』は、来月頭ぐらいにHPで公開されるそうです。初めて『二十四季』触
れる方は、「眠る蒼黒の教室」「桜の花の散る頃に」の順でプレイすることを勧めま
すが、可能ならば『パイロット版』を探して先にプレイすることを推奨しておきます。
でないと、七宮さんの葛藤がまったく(でもないけど)わかりませんから。『パイロッ
ト版』は、ファイル名でググれば見つかりますので、個々で探してみてください。さ
すがにアドレス出す度胸はないです。迷惑だし。

 立ち上げ時にノートン先生とケンカするのは何なんでしょうかね。
あと、HPの掲示板で懐かしい人の名前を見て、ちょっと不思議な感じ(笑)
▼テキスト・グラフィック・サウンド
 テキストは『パイロット版』同様、問題なく読み進めていけます。テキストレイアウ
トも基本的に同じで、画面上部半分ぐらいまでしかテキストは載りません。「桜の
花の散る頃に」は七宮さん視点で語られているため、少々印象が違う&感情的な
部分が見られます。描写というよりは、語り口調といえばわかりやすいでしょうか。
 背景は実写にエフェクト。『パイロット版』に比べれば、若干効きが弱くなっている
ような気がします。また、画面効果がかなりパワーアップしています。桜吹雪に夏
の陽炎、たちこめる霧、地味ながら暑い日差しを受けてオレンジっぽくなったキャラ
クターたちと、どれもいい感じです。ただ、霧はちょっとマシンパワー食う感じがする
ようなしないような。
 サウンドはなし。SEは『パイロット版』とほぼ同様の使い方をしています。
 「眠る蒼黒の教室」は、今回が初出となる書き下ろしのシナリオ。後日、HPで配
布予定となっています。夜の学校で肝試しをしよう、とのことから始まる夏の日の
物語。シナリオは3つに分岐しています。バッドエンドとかはないので、好みの娘
で選んでよいでしょう。最初からやりなおしても、そう時間はかかりませんから。キ
ャラクターの性格などが少し変わっている気がします(特に遠坂さん)が、これはプ
ロットの変更か実はこういうキャラだった、ということからかもしれません。
 グラフィックは大幅に変更されています。野郎は大して変化がないのですが、女
の子たちはかなり変わっています。絵柄の変化ということなのでしょうか。昔に比
べて顔の丸みが減り、ちょっとだけ縦に長くなっています。『パイロット版』はまん
丸な印象でものすごく小学生(ロリ)っぽかったんですが、ずいぶん普通になった
感じです。世間的な印象でいえばこちらの方が良いような気がしますが、『パイロ
ット版』を遊んだ直後なのでものすごい違和感があります。なにしろ、七宮さんの
ツインテールが重力に負けているのですから(笑) また、多少ではありますが、
キャラクターの表情が顔の中だけ頻繁に変わる、いわゆる福笑いを見ているような
(別の書き方をするなら機械的な)印象があります。ディフォルメされた表情など、
そういった印象をよく受けます。このシナリオでは絵柄の変更だけでなく、HPで紹
介されている残りのメインキャラクターとサブキャラクターがほぼ全員登場します。
『パイロット版』ではまったく登場していなかったので、彼らの紹介という一面を持っ
たシナリオなのでしょう。
シナリオ・グラフィック
 シナリオは2本ありますので、それぞれ個別に紹介です。

 「桜の花の散る頃に」は、『パイロット版』で攻略可能だった七宮さんのその後が
描かれたノベル。2003年の夏コミで配布されたコピー本に収録していたものをゲ
ームに興した作品です。新天地でまたも流されそうになる彼女が、気合いを入れ
て本来の自分自身になろうとするお話。おそらく、これだけ単体で遊んでも「ふー
ん」で終わってしまいそうですが、『パイロット版』クリア後だと、なかなかに感慨深
いです。『パイロット版』ラストに登場する彼女の原点はここか、と。
 七宮さん視点なので彼女の立ちグラフィックはありませんが、イベントグラフィック
が2点あります。どちらも上下スクロールするので、じっくり見られません。この点
はかなり残念。その他の登場キャラクターで立ちグラフィックがあるのは、初めて
の友達とルームメイトのふたり。あとはシルエットのみ。

▼概要・システム
 レビューの後編です。
 なぜ前後編に分けたかといえば、『パイロット版』と『穀雨』のタイムスタンプがあ
まりに違うからです。それ以外にも原因はありますが、その辺りは下記から読みと
っていただければ幸いです。『二十四季 パイロット版』についてはこちらをご参照
下さい。
 『穀雨』には、「眠る蒼黒の教室」と「桜の花の散るころに」の2本のシナリオが収
録されています。どっちもエロなしです。

 システムは吉里吉里2を使用。基本的なシステム等は『二十四季』から流用し
ているようですが、セーブ/ロードができません。どちらのシナリオも短いのでカット
したのでしょう。「桜の花の散る頃に」は、一本道のノベル。「眠る蒼黒の教室」は
『二十四季』と同様のシナリオシステムで、選べるエピソードは3つの中から選択
となります。
 ゲームシステムで大きく変化したのは、立ちグラフィックの位置が遠中近に至近
の4種類になったこと。「遠」は教室など足下が見えない(足下がなくても違和感
のない)背景の時に使われていて、相対的に「中」よりちょっと小さい。「中」は、
『パイロット版』での標準の立ち位置。「近」の場合には、キャラクターのバストアッ
プとなる(キャラクターの身長によって若干の違いはあります)。「至近」もう、顔だ
けドアップ。これらの演出は、おそらく正当進化ということで、完成品はこれを採用
したものになるのではないでしょうか。その代わりといってはなんですが、立ちキャ
ラが左にスライドして空きスペースにテキストを表示、というのがなくなってます。


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遠中近すべてを使うとこんな感じ。キャラクターいっぱいです。はい。
至近距離だとこうなります。密着とかヒソヒソ話とかではコレになります。
暑さで地面がゆらめくエフェクト。写真だとわかりにくいですが、ウネウネしてます。
霧に包まれているエフェクトです。キャラクターがぼやけて見えます。
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