Ambient Hearts準備号 ver1.02

■MusterVatuin
■システム不明
■ビジュアルノベル
■多分、全年齢
http://www.mustervation.com

                                 (2004.01.13)
▼あらすじ
あこがれの先輩が、いた。
頼もしくて、眩しくて、尊敬できる俺の目標だった人。学園でも有名な俺たちのカリスマは、また一つ伝説を作り上げようとしていた。旧館を爆破しての学園祭ライブ。期待と興奮は日に日に盛り上がってゆく。だが、学園祭の当日、先輩とともに伝説は幕を閉じた。

あれから一年。
打ち込めるものも消え、気怠げに過ごす退屈な日々。そんなある日、学園の移転に伴う現施設の解体が宣言される。
かつての軽音部の、そして中止になったライブ会場である旧館も含まれていた。あの頃の、バンドにすべてを傾け熱狂していた日々と熱い想い。そんな記憶が頭の中を駆けめぐる。いつしか俺は、ギターを手に旧館の中で立ちすくんでいた……。
▼概要・システム
 2004年の夏に完成を予定している学園バンド+ちょこっとだけ伝奇が入ったビジュアルノベル『Ambient Hearts』の準備号。2003年夏コミに出した準備号よりバージョンが上らしいが、そっちの方は触ってないので差違はわかりません。収録されているのは、ゲームの体験版、キャラクターのイメージイラスト、サウンドまわりといったところ。

 システムはどこかで触ったような気もしますが、思い出せないので不明。触っていたとしても、だいぶマイナーなシステムだと思います。ノベル部分に関しては、とりあえずテキストを表示し、そこに使用する予定の曲が流れているサウンドノベル状態。イベントあわせのためか、立ちグラフィックや背景はありません。
▼シナリオ・テキスト
 テキストは、ごく普通のエロゲテイストだが、描写部分が会話口調と変わらない部分があって奇妙な感じ。また、体言止めを多用しているためか文章を読んでいるというより、切り刻まれた詩を読んでいるような錯覚に陥る。上記の理由に加え、システムの都合上か、行間が狭い状態で固定されているため非常に読みにくい。
 シナリオの方は、ある意味頭をひねってしまいます。これは、いわゆる準備版であるはずなのですが、テキストはラストまで書かれているのです。つまり、お話だけなら、もう完結しているのです。とはいえ、未完成であることは確かなようです。また、人によっては気にならないところでしょうが、日付感覚がまったくないのが個人的にはマイナス。スタート地点が1学期の終了式、ゴールが2学期始業式から一週間後の文化祭。始業式一週間後の文化祭ってのはどうよ、というのはおいといて、夏休みの約一ヶ月間は時間が流れているといった描写はなく、ハイライト的なイベントを継いでラストまでもっていっているのです。面倒な日常描写を省いて、おいしそうなところだけ掻い摘んでお話にしたててるという感じかな。
 中身の方はといえば、学園祭で反学園体制でバンドもの、というフレーズから個々が導き出されるイメージとあまり変わらないと思う。ここに伝奇味が、若干加えられています。既存のエロゲーでいえば、前半〜中盤が『グリーン・グリーン』で、終盤のまとめ方が『FOLKLORE JAM』に似ています。
▼イラスト・グラフィック
 グラフィック周りは、ディスクに収録されている線画だけ。ラフっぽいというところを差し引いても、あまりうまい方じゃないと思います。背景も真っ白です。
▼サウンド・SE
 サウンド周りは、かなり力はいってます。さすがに母体はエロゲーアレンジ系サークルといったところでしょうか。曲数は22曲で、そのうち2曲がOPとEDに使われるヴォーカル曲です。で、クオリティの方ですが、どれもこれもどこかで聞いたことがあるような曲ばかり、という感じで新鮮味がありません。プレイの邪魔をしないBGMとしてはいいとは思いますが、音が貧弱気味であまり印象に残らず物足りなさを感じます。曲は豊富ですが、SEはナシです。
▼総評
 すでに結末まで知ってしまってる以上、各種グラフィックが付いた完成を買うかと言われれば、別にいらないなぁというのが正直な感想。ネタの知れた小説は、よほど気に入ったり面白くなければ二度目は読まないでしょう、といったところです。現時点ではただのノベルで、選択肢による分岐はなさそうです。HPには何も掲載されていないので、この先、完成へ向けてシナリオや仕様がどう変更されるかわかりませんが、それほど大きく変わることはないのではと思います。
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