AncientLink

■塩味
■吉里吉里2
■ビジュアルノベル
■全年齢(?)
■300円
■サイトなし

                                 (2009.08.07)
▼あらすじ
 桜のつぼみがふくらみ始めるこの季節、僕の高校生活が終わった。
幼なじみの少女に告白をして見事玉砕した気持ちを癒しきれないまま、新たな生活を迎えることになりそうだ。
特に希望もなければ、やりたいことも見つからない。
過去を振り返り続け、未来に目を向けないことをフラれた幼なじみに指摘され、笑顔で励まされてしまう僕。
その笑顔に送り出されるよう、僕はーたらしい一歩を踏み出す。
▼概要・システム
 一見するとヘタレ系主人公の青春恋愛物語だが、実は妖怪などが出てくる純和風伝奇ものビジュアルノベル。
 システムは吉里吉里2。だが、ところどころにバグがあり、デフォルト以下の使用感となっている。まず、セーブしようとするとエラーが出て実質フリーズ。タスクマネージャーの力を借りないと終了できない。また、フルスクリーン状態でシステム画面を呼び出すと、画面左上を頂点とした(おそらく)1200x960の範囲内にシステム情報が表示され、他の部分は元のゲーム画面のままという状態になる。他にもタイトル画面で「続きから」を選択するとエラーがでてフリーズするなど、システム面は最低より一歩手前クラス。デバッグどころか、完成後は一度すらゲームを立ち上げてないのではないかと思えるほど、デキが悪い。
 テキストの表示形態は全画面に表示されるノベルタイプだが、実質的には画面半分ほどでページが送られているため、テキストが詰められている感じではない。多少行間が狭いが読みづらいと言うほどではない。キャラクターの名前にルビが振られているが、漢字とルビの場所がずれているので、ここは調整した方がよいのではないかと思う。プレイ時間は10分ぐらいかな。
▼シナリオ・テキスト
 シナリオの序文にあたるところで、人として外れた「異能」と神についてのテキスト、つまりこのゲームの世界観における「異能」について説明しているが、体験版ではそこまで入っていない。体験版の最後には、本編に登場しなかったメインヒロインが世界観の説明やストーリーについて説明をしてくれる。2つの対立する異能組織と中立組織という3つの組織が絡むお話っぽいので、バトルものになっていくんじゃないかな。
 テキストは主人公視点の一人称。ネガティブとまではいかないが、かなりマイナスよりな精神状態というか性格であるため、あまり読んでいて面白いとか感情移入とかはできない。おそらく基本的にヘタレ系主人公の道を歩みつつ、やるときはやるんだぜというありがちな展開になっていくのではないかと思う。
▼イラスト・グラフィック
 立ちキャラクターは、メインヒロインと幼なじみの2人のみ。だが、これは本編に未登場でおわび劇場でのみ見ることができる。数点分の表情差分もアリ。ヒロインのイラストおよび塗りについては、良い方に入るのではないかと思う。
 背景は実写にエフェクトをかけたもの。空や河原などは背景が用意されているが、卒業式のシーンがグレー一色だったのは、きっと画像が入手できなかったからじゃないかと思う。
 なお、プロローグ後にロゴが画面上に表示されるのだが、きちんと中央に表示されるのではなく右にずれている(そのおかげでロゴの一部が切れている)。演出なのかミスなのか分からないが、システムの出来具合から考えるとおそらくミスなのだろう。
▼サウンド・SE
 使用されている曲は2曲で、フリー素材を使用している。SEはなし。
▼総評
 伝奇ものでありながら、体験版本編でそれを示せなかったという点で体験版としてはハズレだと思う。また技術力の問題なのかチェックの甘さなのか、システム面での不具合が多いのもマイナス。一応、おわび劇場でそういった点についてのエクスキューズはあるが、こちらとしてはそれを見せられてもどうしようもないので、往生際が悪いなぁとしか取れない。
 キャライラストのレベルは及第点以上だと思うので、見た目がオッケーならシナリオはあまり気にしないという人や、伝奇好きな(おそらく伝奇バトルものが好きでも大丈夫だと思う)人は突っ込んでみてもいいかもしれない。が、正直完成は怪しいのではないかと思う。

 個人的には、PC環境の問題による冤罪なのかもしれないが、ゲームを立ち上げたままにしておくとテキストエディタがエラーを起こして強制終了したり(おかげで何度も書き直した)、Atokがエラーを起こして日本語入力が出来なくなったりしたおかげで、非常に印象の悪いゲームです(苦笑)。また、この作品の世界観の中では「陰陽師、巫術師、外法師、呪術師、物の怪、妖」をひっくるめて「異能」と呼んでるのですが、先天的なものと後天的(生まれつき)なものが混ざっているので、ちょっと違和感あったりします。
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