アルエとほうれん草のキッシュ体験版　Ver0.1
	■ELISE ■システム不明 ■アドベンチャー ■18禁 ■無料か100円か200円 ■http://homepage3.nifty.com/eliseproject/ 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　（2005.01.09）
	▼概要・システム
	休みを利用して数年ぶりに帰郷した料理人の主人公が、事故で負傷した恩師に代わりに店で腕を振るうことになるラブコメ？　アドベンチャー。恩師の娘の幼なじみや謎のバイト娘、押しかけてきた留学先の先輩料理人なんかといい感じになっていくみたいです。 　使用しているシステムは不明。オリジナルか、既存のノベル・アドベンチャーシステムを使っているか分かりません。ゲームのシステムは、ごく普通のアドベンチャーと同様に画面下部のメッセージウィンドウにテキストが表示されるタイプ。このウィンドウの右側にセーブ・ロードやらバックログやらのシステム系メニューが表示されていますが、現時点ではダミーで機能しません。 　ゲームがストップするような致命的なバグはありませんでしたが、システム的に未調整な所が多々ありました。 　まず、メッセージウィンドウ内の罫線とテキスト表示位置の調整不足。表示されるメッセージは最大３ラインで、それに合わせるように罫線が引かれた壁紙が敷かれているのですが、行間があってないので罫線の上に文字が載ったりして読みにくくなっています。 　また、メッセージウィンドウの左上には誰が喋っているか分かるように名前の欄があるのですが、主人公が状況の描写をするときにも、その直前に喋った人の名前が欄の中に残ってしまっています。そのため、主人公以外のキャラクターが描写をしているのか？　と思われかねません（状況と場面でキャラクターが変わるのはそれほど珍しい手法ではないのですが、今のままだと「そういうゲームなのか」と納得しようとした直後に「あれれ？　何か変だぞ？」と読み手が混乱してしまうからです）。 　この２点は、早めに直してもらいたい部分ですね。
	▼シナリオ・テキスト
	アドベンチャーということもあってか、基本的に会話中心で進んでいきます。主人公による描写も、あまり鬱っぽくなったり暗くなったりはしないようです。『Piaキャロットへようこそ!!』シリーズまでとはいいませんが、アレをイメージしてもらえればそんなに外れてないと思います。ただ、主人公がどういうヤツなのかちょっと分かりにくいので、もうちょっとフォローして欲しいと思いました（性格はともかく、どれぐらいの料理の腕を持っているとかがイマイチ分かりにくい）。ゲーム内期間は、おそらく１週間から10〜15日前後ってところかな。全体的なプレイ時間はちょっと予想がつきません。体験版のプレイ時間は30分ほどで、分岐などはありませんでした。攻略可能（とおぼわしき）なキャラクターが全員揃ったところで終わりましたので、ここから先が本番なのでしょう。 　テキストはそんなに悪いとは思いませんが、システムで説明した未調整な部分のおかげで非常に読みにくいです。さらに、名前だけ出てくるキャラクターについての説明がないわりに主人公たちとの会話がどんどん進んでいくので、「コイツ誰だ？」となることも。その他のバイトの人たちの立ちイラストがないなら、なおのこと印象に残る特徴や描写などが欲しいところです。 　エッチなシーンはありましたが、主人公受けでしごかれるだけなので、あんまりエッチっぽくなかったです。
	▼イラスト・グラフィック
	いい年頃のヒロインもロリっぽく見える絵ですが、基本的には問題ないかと思われます。キャラの立ちイラストがあるのは、メインヒロインとなる３名のみ。立ち差分は豊富です。塗りの方は少しのっぺりとしていてメリハリがありませんが、サークルサイトのトップ絵を見た感じからして、立ちイラストに影指定など入れるだけで、結構栄えるものになると思います。おそらく、体験版では時間的な制約から単色塗りになったのではないでしょうか。イベントCGは数点あり、ほぼ清書に近いラフの線に単色（薄目の青やピンク）で色が載っています。これはこれで悪くはないですが、絶賛できるかと問われれば「それほどでも」と答えるしかないですね。フルカラーじゃないのは、こちらも時間的制約なのかな。背景は実写にエフェクトをかけたもの。こっちの方も問題ないです。
	▼サウンド・SE
	なし。SEもなし。さすがにちょっと寂しいです。
	▼総評
	タイトルがさわやかで健全そうに見えたのですが、立派に18禁でした。俺の意表を突くとは、なかなかやるな!! 　個人経営の喫茶＆洋食亭を舞台にしたラブコメで、奇をてらった所のないごく普通のアドベンチャーの範囲に収まると思います。ちょっとだけファンタジーというかメルヘンというか不思議物語っぽいところはありそうですが、作品の世界を壊すようなことはないのでしょう。どのキャラとのエンディングになっても、明るくハートフルな終わり方になるんじゃないかな。イラストやCG、塗りに関してのレベルも問題なさそうです。むしろ、いい方じゃないかと思います。 　とりあえず現時点で問題となるのは、システム周りとサウンド関係、それと演出面ですね。 SEがないのもあるのでしょうが、場面転換や効果に工夫がなく、演出面の物足りなさがを感じます。テキストも含めて「こういうことがやりたいのかなぁ」と想像はできるのですが、それがちゃんと伝わってこないとでも言えばいいのかな。そんな演出面の不足が、物語を平坦に見せている点も否定できません。システム面は未実装の嵐なので、ここにどこまで手をかけられるかも完成度を左右するポイントになると思います。オリジナルでシステムを組んでいるとしたら、大変そうですが、気合いを入れて頑張って欲しいところですね。 　システムやサウンドに一抹の不安を感じるものの、追っかける対象としては悪くないです。シナリオの流れから予想するに大きな盛り上がりがあるかは微妙ですが、万人向きのタイトルになりそう。イラストもそれなりにキャッチーなので、完成した暁には意外と人気が出るかもしれません。体験版のパッケージがサークルサイトのトップ絵だったら、早い時間に配布終了になったのではないでしょうか。完成は夏だそうですので、気長に待ちましょう。……いや、本当に夏に出るなら早いのか？　早いよな。早いよ。 　なお、タイトルに登場する「アルエ」は猫の名前です。凄いモノを期待しちゃいけないかもしれません。そしてキッシュとはこんな料理です。アルエの主食らしいです。……ずいぶん贅沢な猫だな。というのは置いといて、意外と高カロリーな料理に見えるんですが、猫にこんなもん喰わせて大丈夫なんですかね？