引籠世界の探偵事件簿
Beautiful Day Ver.1.00

■焼肉万歳.
■ALICESOFT SYSTEM4.0
■引き篭もり体験アドベンチャー
■全年齢
■100円か200円
http://yakiniku-banzai.com/

                                 (2006.01.03)
▼概要・システム
 サークル「焼肉万歳.」さんの製作している『引籠世界の探偵事件簿』シリーズの主人公・日置 小茂朗となって、引き篭もりを体験するアドベンチャーゲーム。 システムはアリスソフトがフリーで配布している自社エンジン、SYSTEM4.0。フリーの世界はよく分かりませんが、同人ソフトの中では珍しいです。

 システム面はSYSTEM4.0自身が持っている機能に加え、メッセージスピードの変更、テキストログ表示、ウィンドウ削除があります。セーブやロードはできません。システム画面には、本作には使わない機能名だけが残っているので、『引籠世界の探偵事件簿 #01 マリア様がみてた殺人事件』のシステムの一部をオミットして使っているのではないかと思われます。

 ゲームシステムは非常に単純で、表示される行動を選んでいくだけです。行動できる時間は、朝の8:00から明け方の3:00までで、行動を選ぶと1時間が経過します。3:00の行動を終えると、強制的にエンディングになります。そのほかにもある特定の行動を特定数だけ選ぶと、それに見合ったエンディングを迎えることになります。エンディングの数は全部で12個あります。
 エンディングはタイトルメニューの「OMAKE」で確認することができます。各エンディングのクリア数も参照できますが、クリア数がどうゲームに関わるかは不明です。また、「OMAKE」では「今日のなにがし」という選択肢をクリックすると、登場キャラクターから今日の一言みたいなものを見ることができます。
▼シナリオ・テキスト
 あってないようなもんです。
 ……いや、引き篭もりってつまんなぁと思えるので、そういう意味ではいいシナリオなのかも。各選択肢を選んだ時に読めるテキストは、選択肢につき1〜2種類しかありません。数が少ないので、すぐに飽きてしまいます。もうちょっとバリエーションがあってもよかったと思う。
▼イラスト・グラフィック
 キャラクターのグラフィックは、立ちキャラ+長方形の背景がワンセットとなっています。OHPで見られる『引籠世界の探偵事件簿 #01 マリア様がみてた殺人事件』のキャラクター紹介で見られるグラフィックそのままです。表情差分などはなく、画面横や上からスライドしながら現れる演出と組み合わせて状況を見せています。別段うまい原画や塗りではないと思いますが、デフォルメが効いている絵柄なので、違和感はありません。Pinkyみたいな感じかな。
 背景は古くさい家の一室の写真にエフェクトをかけたものが1枚のみです。いいんです、引き篭もりだから背景画面を変える必要はないのです(笑)
▼サウンド・SE
 曲は本編プレイ中に流れる曲とエンディングの曲の2曲のみ。プレイ中の曲はBGMとして文句ありません。エンディングの曲は、演出なのかスタッフロールの尺と合っておらず、ノイズで突然切れてしまいます(おそらく演出なので、それ自体は別にマイナス要因ではありません)。元がボーカル曲のようなので、これも前作からの流用なのかもしれません。SEはキャラの登場やアクション、システムメニューにカーソルをあわせたときなど多くの場面で使われています。
▼総評
 ごめん、つまんない。

 そうかくと身も蓋もないので、細かいところから説明をしていきます。
 まずこれは、『引籠世界の探偵事件簿』シリーズのファンディスク的な位置づけになると思われるソフトです。つまり、主人公を始めとした元となるシリーズのキャラクターを知っていなければ楽しむことは難しいのです。主人公の探偵は引き篭もりで、それの生活をシミュレートできるというのは、ファンにとっては良いネタになるソフトだと思います。ただ、私の場合は『引籠世界の探偵事件簿』シリーズを遊んでいないためその背景が分からず、引き篭もりをシミュレートしても何も面白くないというわけです。エンディングのクリア回数をある一定以上超えると何か起きる、というのならばまた別ですが、そういったものもないようなので、私は12個のエンディングを各1回終えて止めました。

 『引籠世界の探偵事件簿』シリーズをファンならば、一発芸として新春初笑いのネタにはなると思う。でも、シリーズを遊んでいなければ、面白いところは何もない。まぁ、「引き篭もりってつまんねぇなぁ」ということが実感できると言う点では、意味のあるソフトかもしれません。
 一度クリアすると「現実だとこんなに選択肢ないんだよね…」とタイトル画面に表示されるのがちょっとシュールです。
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