弧月奇譚 体験版 第一譚「始夜」

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http://marie.saiin.net/~droog/

                                 (2007.04.20)
▼あらすじ
 始業式を休んでしまったがために、腐れ縁のクラスメイトの陰謀で図書委員にされてしまった主人公。イヤイヤながら出た委員会で、天然系の愉快な先輩と出会う。図書委員長である先輩に感化された主人公は、「面白いから」と彼女から一冊の本を薦められる。その本には「弧月奇譚」と書かれていた……。
▼概要・システム
 こんな感じで始まるビジュアルノベル。舞台となるのは主人公たちが通う学園パートと、主人公が読み進める伝奇小説世界のパート。このふたつをワンセットとして1話となるらしい。ふたつのパートが相互リンクし、物語が進んでいくのだと思う。全何話構成になるかは不明。体験版では第一譚となっているが、実質的には物語の導入部までなので、第零譚という方がしっくりくる。

 この体験版は、現在一般に配布されているノベルツール「DNML」と、サークルが独自に開発している「CANVAS」の2種類のシステムで遊ぶことができます。ですが、それぞれ欠点があります。
 まず「DNML」ですが、『弧月奇譚』を遊ぶために、わざわざこれをインストール(レジストリとかはいじくられない)しなくてはならない。無駄にシステムをインストールしたくない人(たとえば俺とか)には、ちょっと二の足を踏みたくなる要因です。インストール後、改めてシナリオを手動で読み込ませなければいけないのも、ちょっと煩わしい。
 そして「CANVAS」ですが、これは開発中のために不安定です。ウチの環境では画面に不具合がでてチラつき、文字も表示されないためプレイ不可能でした。さらに、メインOSの方に影響があったようで、マシンを起動のさせるために何度かリセットかましてようやく起動できたという有様でした。まぁ、現時点でOSの方には特に不具合はないようですけれど。
 マシンの不安定さにつながったのが「DNML」か「CANVAS」かは確定してませんが、どちらにせよそういった危険を伴う可能性は高いです。サークル側は身内などでのしっかりとしたテストを踏まえてのある程度の安定化の後の公開を望みたかったです。
▼シナリオ・テキスト
 シナリオやテキストですが、個人的にはまったく問題なし。むしろ好みというか楽しませてもらいました。このまま突き進んでもらいたいところです。伝奇部分に関しては入ってないので未評価ですが、時代物っぽくなりそうな感じです。
▼イラスト・グラフィック
 CGや原画ですが、女の子に難アリ。何が問題かというと、ウエストとそこから下が細すぎ。モデルさんなんか目じゃないくびれ方です(厳密にはくびれじゃない気もしますが……)。腕もちょっと細すぎる気がするので、もうちょっとふくよかにしてもいいと思います。登場する女の子は現時点でふたりで、先輩もクラスメイトも萌えるとまではいきませんがなかなかに美味しいキャラなので、このまま崩さずにいければグッドだと思います。塗りは甘いですけど。背景は実写にエフェクトです。
▼サウンド・SE
 音周りはちょっとチープ。フリー素材からの転用とのことですが、ちょっと寂しいですね。もちょっと豪華な感じがしてもいいかと。
▼総評
 で、総評としてはなかなか良いかなと。主人公の頭が先輩のアゴに当たる→アゴが赤く腫れた先輩、というシーンのためにアゴを赤く塗った先輩の立ち絵を用意するところなど無駄に豪華な演出がある一方、。ブラックアウトの瞬間、次の日になるといった唐突(適当ともいえる)な部分もあります。そういった演出的な部分での良し悪しはありますが、この辺りを調整しつつ、期待して待ちたいと思います。
 そういった面もさることながら、より安定したシステムの構築、もしくは妥協(既存のシステムを選択するか否か)するかどうかの判断が急務かと思います。せっかく手に入れても遊べないなら、タダの皿ですから。頑張って欲しいところです。
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