ココロのカタチ〜体験版〜 | ||
■green-ness ■Nscripter ■アドベンチャー ■対象年齢不明 ■価格ド忘れ ■http://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Library/2333/ (2004.04.22) |
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▼あらすじ | ||
あれはいつの事だったろう。 学校から家に帰ると、そこには誰もいなかった。家の中を探し回って、残されていたのは、十字架と手紙と、そして僕。 手紙を読み進めた僕は、幼いながらに理解してしまった。…………僕は、母親に捨てられたのだと。 あれはいつの事だったろう。 もう忘れかけていたが、傷跡がまだココロに残っていたらしい。はっきりとは思い出せないが、そんな夢を見ていた気がする。 あれからもう、何年経っただろうか。 叔父に引き取られ、その息子と自分による男3人所帯。幼なじみやナマイキな後輩といった、クセの強い連中との毎日。母親が消えてからも特に不自由はなく、ごく平凡な日々が続いていた。ただひとつ平凡でないのは、いつからか身に付いてしまったチカラ。これから降りかかる不幸が、白い羽根となってまぶたに映る。それだけだが、あまり気持ちの良いもんじゃない。 どうして俺は、こんなチカラを手に入れてしまったのだろうか……。 |
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▼概要・システム | ||
ごく普通のアドベンチャーゲーム。薄目のファンタジーとかちょっと不思議系な物語かな? システムはNScripterほぼそのままですが、セーブ/ロード機能は実装されていません。テキストは画面下部のウィンドウ内に表示されるタイプ。だが、ビジュアルノベルのように文字が表示される部分のみ薄黒くなっているだけなので、画面との境界がわかりにくく、読みにくさを感じる。特に背景が暗いシーン。文字ウィンドウに枠をつけるなりして、ウィンドウがあることをはっきり分からせるようにしたほうがいいと思う。 | ||
▼シナリオ・テキスト | ||
シナリオ面については、なんとも言いかねる状態です。主人公の簡単な生い立ちや現在の生活環境、持っている能力についての説明などがあるのですが、それだけで終わっています。これから何が起こるのかが描かれておらず、この先に続くであろう物語への引きがまったくありません。興味を持つきっかけがほとんどない、というのは体験版としてはマズイのではないかと思う。 ちなみに主人公の持っている能力は、「これから不幸な目にあう人が分かる」というもの。その目印として、対象人物の周辺に羽根が見えるそうです(普通の人にはもちろん見えません)。攻略対象となる女の子は4人かな? テキストは普通。「吃驚」「殆ど」など、開いた方がよさげな漢字がそこかしこに点在していたりします。キャラクターの会話部分は、 (名前)「(会話のテキスト〜)」 となっています。個人的にはメッセージウィンドウ外に名前欄をつけるか、 (名前) 「(会話テキスト〜)」 というように段に分けた方が良いと思うのですが、この辺は好みの問題なので言い切るのはヤメにします。まぁ、現時点のでは美しくないなぁ程度です。 |
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▼イラスト・グラフィック | ||
キャラクターの原画は、並よりちょっと下ぐらい。ちょっと頭でかいんじゃない? とか、ちょっと首太くない? とか、どのキャラも前髪同じっぽくない? とかそんな感じがしてます。また、キャラクターによってクオリティに差異が見られます。複数人で原画等の作業をしているからかもしれません。この辺りは、なるべく平均化して欲しいトコロ。塗りのレベルも高くなく、またキャラクターの切り抜きが甘いのか輪郭に沿って白い物がチラホラ。塗りやら切り抜きやらは、これからもがんばって修行を積んで欲しいですね。あ、でも立ちキャラの表情差分は、一人につき6〜8枚となかなか多いです。イベントCGは2,3枚ほど確認。こちらもレベルは高くなく、背景もおざなりです。羽と十字架の一枚絵はいい感じなんですけどね。背景はおそらく実写にエフェクトをかけた物。画像の表面にエフェクトといったものでなく、コントラストなどを強烈にかけた物ではないかと思います。こういう背景はあまり見ないので、新鮮で良いです。 | ||
▼サウンド・SE | ||
あんまりクオリティは高くなく、印象に残らないです。バイクのSEとかがあるのですが、気が抜けているようなこもった音で、もうちょっと何かなかったのだろうかと思います。 | ||
▼総評 | ||
全体的にレベルは高くありません。それだけならまだしも、今後の展開に興味を抱かせるような仕掛けがまったくないのが致命的です。ごく平凡な一日だけでゲームが終わってしまうので、「この先どうなるんだろう」というプレイヤーに対する引きの部分が完全に抜けています。「こういうものを作ってます」という告知版・体験版としては最低限体裁は整っていますが、興味を抱かせて次にまた手にとって貰おう、というところまで行っていません。失敗はしていないが、成功にはほど遠いといった感じです。 技術の高低や出来の良し悪しは別にして、この体験版を遊んでもどういう感じのストーリーになるか分からず興味も引かれませんし、ここから先、積極的に追いかけていこうという気にはならないと思います。 ………………で、どの辺が「ココロノカケラ」なんでしょ? |
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