めろんすかっしゅ!プレリリース版

■いちごしとろん
■オリジナルシステム
■縦スクロールシューティング
■全年齢
■300〜500円ほどだった気が……
http://www.15citron.com/

                                 (2006.02.01)
▼概要・システム
 同人アイテムを販売しているショップ「メロンブックス」のマスコットキャラクター「めろんちゃん」の二次創作作品。横スクロールシューティングですが、かなりスピード感のある作品です。

 システムはオリジナルです。画面サイズは、ゲーム起動時にフルスクリーンとウィンドウモードを選択することができます。再現性はないのですが、フルスクリーンでプレイしていると突然ゲームが落ちることがありました。オフィシャルサイトの方に対処法や修正パッチがないところを見ると、かなりまれで限定的な状況で起こるのか、もしくは私のマシンが原因なのかもしれません。タイトル画面で選べるモードは「Game Start」「Replay」「Config」の3つです。 
「Game Start」を選ぶとゲームプレイとなりますが、スタートする前に初心者モードのON/OFFとサブウェポンの選択ができます。「初心者モード OFF」にするとダメージを受けたときにショットレベルが-1されます。そして、画面中央より右側に自機がいるとコンストラクティブボーナス(いればいるほど得点が加算されていきす。画面の右に行けば行くほど得点の上がる速さが加速されるようにも見えますが、ちょっと怪しいかも)。 「初心者モード ON」はコンストラクティブボーナスがなく、ダメージを受けてもショットレベルが下がることはありません。
「Replay」は、プレイしたものをデータとして残し、再生できるモードです。『プレリリース版』では、ステージの途中でゲームオーバーになった場合はリプレイデータのセーブができましたが、クリアした場合はセーブできませんでした。不具合と言うより、忘れたという感じが強そうです。
「Config」ではフレーム数、音声ボリューム、ゲームパッドのボタン設定が行えます。「音声ボリューム」と表示されてますが、実質的には「ゲームの全体のボリューム(BGM、SE、音声)調整」となっています。難易度は変更できませんが、完成版ではできるようになっているかもしれません。

 画面上を自由に動けるタイプのシューティングではなく、通常時は地面(画面下部)の上を走るタイプの横スクロールシューティングです。高速でスクロールすることもあり、移動という点での自由度は普通の横スクロールシューティングに比べて低めです。自機はかなり大きめで、残機制ではなく体力ゲージが0になるとゲームオーバーになるタイプです。
 操作方法は十字キーの右を押すと前、左を押すと後ろに移動します。上方向系にボタンを押すと前方斜め上に、下方向系にボタンを押すと前方斜め下にショットの射角を変化させることができます(自機より後ろへショットを放つことはできません)。また、段差のあるような場所では(上の段に乗っている場合のみ)、下+ジャンプボタンで段を下りることができます。十字キー以外に使うボタンは、ショット(マシンガンらしい)、ジャンプ、サブウェポンの3つです。ポーズボタンという気の効いたものはありません。あると不慮の時に便利なんですけどね。
 ショットはオート連射で、敵を倒したときに落とす緑色のチップのようなもの(大きさによってゲージの貯まり具合が違う)を入手するとゲージが貯まり、一定量貯まると1レベルパワーアップします。最大レベルは5で、「初心者モードOFF」ではダメージを受けるたびにレベルが-1されていきます(ダメージを受けた直後は、短時間ですが無敵状態になるため連続でダメージを受けることはありません)。また、標準的な敵の弾はこちらのショットで打ち消すことができます(ボスの攻撃など特殊な弾は打ち消せません)。
 サブウェポンは4つあり、プレイ前に選んだものを使うことができます。サブウェポンは弾数制ではなく、ゲージが貯まっていれば何度でも使用することができます。これのチョイスと使い方が攻略の鍵となります。4つのサブウェポンは貯めこまずにバンバン使うのが楽にクリアするコツかな。
▼シナリオ・テキスト
 1つのステージは、共通ステージ→メインステージ(エリアは3つ)→ボス、といった構成になっています(それぞれ便宜上の私が付けた仮称です)。メインステージの開始やエリアの切り替えやボスの直前になると、れもんちゃんからのメッセージが表示され、ステージの特徴などが説明されます。
 共通ステージは、『グラディウス』でいうゲームやステージ開始直後に敵編隊が出てくるようなステージで、めろんちゃんをパワーアップさせることを重点に置かれているようです。ここではコンストラクティブボーナスはありません。結構長く続くステージで、終わるころ(ダメージを受けなければ)にはレベル1から5にできるほどです。ちょっと親切すぎで、また長すぎるかなと思いました。
 メインステージは、内部でエリアが3つ(ボスを含めると4つですが、とりあえずこのレビューでは分けています)に分かれています。これは明確な分割ではありませんが、新たなエリアに入ると新しい敵が出現するようになったりします。メインステージは、共通ステージに比べてスクロールスピードが大幅にアップしています。スピードは結構早く、慣れないと戸惑うかもしれません。めろんちゃんの乗ったバイクが走る地面は水平なだけでなく、坂を上ったり降りたり、はたまた途中で切れていたりします。背後から敵が出てくる時や道が途切れているところなどは、「キケン!」というエマージェンシーマークが効果音と共に画面上に表示される親切設計です(道から落ちて即死、ということはありません)。ただ、この「キケン!」というマークが出現するときの効果音は、れもんちゃんの報告ウィンドウが出現する効果音と同じなので、戸惑うことがあります。紛らわしいので、どちらかの効果音を換えて欲しいところですね。また、ステージ1で道が途切れる場所で「キケン!」マークが出現したのに対し、ステージ3では同じような地形で「キケン!」マークが出ません。危険な地形だが後のステージならばなくてもいいだろう、ということなのでしょうが、地形に大きく左右されるバランスのゲームなので、ステージの前や後に関わりなく地形によって「キケン!」マークを出してもらえるようにして欲しいところです。メインステージも共通ステージと同様、少し長いかなと感じました。敵の攻撃(種類)にバリエーションがあるため、共通ステージほどの単調さはありませんが、それでもちょっと間延びしている感じです。
 ボスは改造されたメカめろんで、ステージ1はRX-78似、ステージ2はMSZ-006似、ステージ3はMSZ-010似と攻撃はパワーアップするものの、行動はワンパターンなので攻略は楽でした。画面下部には単三電池を3つ直列繋ぎにしたようなボスの体力ゲージがあり、電池一個分の体力が減ると攻撃パターンが変化します。

 『プレリリース版』ではステージ3まで収録されています。サッポロ、センダイ、オオサカと、実際にメロンブックスのある場所がステージになっているようです。さすがに15店舗もある支店のすべてがステージになると思えませんので、この中から大きな都市をチョイスして組み込むことになるのではないでしょうか。秋葉原、横浜or静岡or名古屋、岡山or広島、福岡あたりを加えて全7〜8ステージあたりかな。……あ、香港店もありかも? また、ホームページには会話シーンのスクリーンショットがありますが、『プレビュー版』にはありません。完成版にはステージとステージの間にそういったシーンがあるのかもしれません。
▼イラスト・グラフィック
 キャラクターのドット絵は上々です。それぞれのキャラクターはあまり動きませんが、良い感じに描かれています。背景も良く描かれているのですが、正直、見ている余裕があまりありません(苦笑)。また、ステージ3では敵の弾と色合いが被っているため、少しプレイがキツイところもあるので、可能ならばどうにかして欲しいところです。
 余計なお世話ですが、背景に広告を載せよう企画が行われていますが、スクロールの速さに加え、敵とその攻撃に対処せねばならないため、背景を見てる暇がありません。成功しているとはいえない気がします。遊びとしてはアリだと思いますけどね。
▼サウンド・SE
 サウンド周りは可もなく不可もなくというところです。メインステージはそれぞれ曲が違いますが、共通ステージやボスなどは同じ曲が使われています。アドレナリンが沸騰するほどじゃありませんが、それなりにノリのいい曲です。SEは弾の発射音や爆発音、アイテムを取ったときなど、豊富に使われていこちらも文句なしですね。音声はサークルロゴやタイトル、パワーアップした時などポイントに絞って使われています。声=めろんちゃんなのかな? 個人的には、れもんちゃんのナビゲートがフル音声だったら完成版即買いだったかもしれません。すいません、「ナンシーより緊急連絡」ぽいのが聞きたかっただけです。
▼総評
 結構楽しめるけど、絶賛できるほど面白いってほどじゃない。
 最初は画面に大して自機が大きすぎるなぁと思っていたのですが、スクロールスピードを考えると「なるほど、よく検討した結果なんだろうな」という印象に変わりました。この辺のさじ加減が、ある程度作品を作ってきた経験の強みなんでしょうね。スピード感を重視し、それでいて難易度を抑えめにした構成に対する評価が高いです。シューティング初心者やあまり上手くない人に向けですね。

 逆にめろんちゃんに過剰な愛情を持っていない腕自慢やハイスコアラーを自称するような人は、回避した方が無難です。味が濃いものは、最初は美味しくても飽きるのが早い、という現象に似ている感じです。地形が分からない初回プレイでのオールクリアは難しいのですが、一度知ってしまえば「初心者モード」をOFFにしても簡単に進めるため、歯ごたえがありません。また、コンストラクティブボーナスはあるものの、その他に得点を稼ぐようなボーナスはないので、詰めたプレイする意欲があまり湧きません。
 確かにすべてのプレイヤーを満足させるものを作るのは難しいと思いますが、もうひと味、何かプレイヤーがこだわれるような駆け引きの部分があったらなと思いました。たとえば、敵編隊全滅ボーナスがあれば、コンストラクティブボーナスとの2択を迫られる場面で駆け引きも楽しめたかもしれません。

 私は買わないでしょうね。あまり気合を入れて遊ぶゲームではないし、また攻略したくなるゲームでもありません。コンストラクティブボーナスという得点にこだわるシステムはありますが、その部分を中心にやりこむほどのものじゃない。ならばステージ構成で楽しめるかといえば、自機は高速スクロールで押し出されるような感覚が強く、自由度が少ない。『メトロクロス』と『エアバスター』の高速ステージが組み合わさった感じです。もうちょっとプレイヤー自身が楽しさを見いだせる「あそび」の部分が欲しかったと思います。爽快感はそれなりにあるんですが、あくまでも「それなり」ですしね。
 個人的にはせめて、謎のフルスクリーン強制終了さえなければ、(とりあえず)ステージ1で\100,000越えを目指すんだけどなぁ、ウィンドウモードでのプレイは目がキツすぎです、はい。(現在は90万円前半)。
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