戦略模型店
 〜プロローグ版〜

■パテもり蕎麦
■YU-RIS
■模型店経営&恋愛シミュレーション
■全年齢
■無料配布
■サイトアドレスは何となく自主規制

                                 (2004.02.08)
▼あらすじ
模型作りは他人との戦いだ。だがそれは、完成したものの出来ぐあいの戦いじゃない。いかにして制作環境を整えるか、という戦いだ。薫るシンナーの匂い。こぼれ落ちる塗料。飛び散るポリパテの削りカス……。他人から見るとひどく迷惑きわまりないらしい。
俺の彼女もその一人だ。
作例製作のギャラで生活しているが、彼女の部屋で暮らしている俺は、ほとんどヒモ状態といっていいだろう。だが、ついに堪忍袋の緒が切れたのか、部屋から追い出されてしまう。さらば、作りかけのカーモデル。さらば、コンプレッサーとエアブラシとその他の愛用機材たち。
だが、困ったことになった。生活費と住む場所ははともかく、模型を作れないのは俺にとって一大事だ。そう思案する俺の目に一枚の張り紙が飛び込んでくる。「アルバイト募集中! 模型をうまく作れる人歓迎!!」
これだ!
俺は鼻息荒く、店の中へ飛び込んだ。
▼概要・システム
 分からない人にはまったくわからないが、分かる人にはなんとなく状況が理解できてしまいそうな模型好きの主人公となり、模型店で働きながら女の子と仲良くなるシミュレーションゲーム。まだ全然できていません。冒頭のみ収録され、ゲームのシステムはテキストで紹介といったところです。

 システムはYU-RISを使用。このシステムの汎用性はまったく分かりません。なんせ、初めて触れるもので。『戦略模型店』では、ごく普通のアドベンチャー形式のみ見ることができました。基本的にノベルやアドベンチャー用のシステムっぽいですが、一応横スクロールシューティングのサンプルもありました。
 ゲームのシステムはかなりごちゃ混ぜ。「恋愛シミュレーション」「模型店経営シミュレーション」「戦略シミュレーション」の3要素が柱となるようです。
 「恋愛シミュレーション」は、模型店の女の子やお客さん、ライバル店店長、問屋の女の子たちと仲良くなる部分。ここはごく普通になるのではないでしょうか。
 「模型店経営シミュレーション」は、店内レイアウトなどを決め、仕入れや接客などを行い商圏を広げることが目的。はっきりはしませんが『ザ・コンビニ』みたいなものをイメージすると近いのかもしれません。で、商圏を広げるとライバル店の商圏と重複する部分が出てきます。重複すると、ここで「戦略シミュレーション」(戦術のような気もしますけど)が勃発します。いわゆる、他店舗とのバトルですね。マップはたぶん、『スーパーロボット大戦』のような上からの見下ろし型。ユニットは店に飾ってある「作例」です。ノリはプラモシミュレーションですかね。作例の出来具合やスケール(1/144とか1/100、1/72、1/700とかいろいろ)によって強さが変わるらしいです。最終目的は店を大きくして、街の模型店を制圧すること。
▼シナリオ・テキスト
 プロローグは巻き込まれ型、それ以後は渦中特攻型のシナリオっぽいです。頭の上がらない居候先の娘兼幼なじみに(愛情表現として)虐められ続けている主人公が、深夜に鵺のような化け物に襲われたところを謎の少女に助けられ、数日後によく似た少女が同じクラスに転入してくる、といったところから話は始まる。彼女の登場によって主人公の周りに色々な事が起こる、とかそんな感じです。その間のカットに、主人公たちを眺める謎の人たちの会話が挿入されており、いかにも「何かありそう!」な雰囲気を頑張って作ってます。この謎の人たちの会話、キャライラストもないわ背景画像もないわで、ほとんど印象に残らなかったりするのは体験版だからですかね。読んだ感じでは、この主人公、すごい力を持ってるというより、何かの触媒として狙われるんじゃないかとか思ってます。
 まだプロローグのような状態なのでお話にケチつけるところはないですが、付けるとしたら日付関連かな。スクリプトのファイル名は日付で構成されているのに、作中ではテキストのまずさや表現不足でほとんどわかりません。日の最初などに日付を挿入してもよいのではないかと思います。
 テキストはかなり読みづらくて退屈です。読みづらい理由は、文字量の多さと一文の長さ。全編を通して文字量が多いのはかまわないのですが、毎ページこれでもかというぐらい画面を文字が埋め尽くします。加えて一文が3ラインにも4ラインにも及んでおり、長くて読みづらいのです。「読ませるために構成した文」というより「書くために書いた文」、第一校をそのまま載せているテキスト、という感じ。もう少し読み手に優しく、歯切れのいいテキストにした方がよいのではないかと思います。一文が長いためにテキストが収まらず、次のページの1ライン目で終わる、というのもかなり見苦しいですね。クリアするとオマケが登場して、攻略可能ヒロインとのエッチなテキストが見られます。が、ここに到達するのは至難の業だと思われます。かなりピンポイントで選択肢を選ばなきゃなりませんから。
▼イラスト・グラフィック
 シナリオもテキストも全然できてないので、評価のしようがありません。でも、冒頭の主人公とそれを取り巻く状況は、大なり小なりプラモ等をいじくっている人なら思い当たるフシがありそう。実体験なのかもしれません(笑)
▼サウンド・SE
 音楽、SEはナシ。
▼総評
 個人的にはものすごく期待したいのですが、コレまでの経験上、完成せずに消えてしまいそうな予感がしています。よくある「風呂敷を広げただけ広げて終わり」ってな感じがヒシヒシと伝わって来ちゃうのですよ。
 シナリオの都合上、模型店にからむ女の子がたくさん出てくるというフィクションはいいとして(笑)、複数のタイプのシミュレーションを詰め込んで形になるかどうかが極めて危うく、破綻しそうな感じです。奇跡っぽいことが起こって完成するとしても、おそらく2年後以降になるんじゃないかなぁ。
 制作者のイメージ通りに完成したものなら「やってみてぇ!」というソフトなのですが、現時点ではちょっと難しいだろうと予測。無難なところで「恋愛アドベンチャー」あたりに落ち着いちゃうかもしれません。

 なお、サイトアドレスが自主規制なのは制作者自身が模型店関係者っぽいためです。ぐぐってそこまで判明してますが、お店のアドレスを張るわけにもいかんだろうと思いますので載っけてません。あしからず。
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