黄昏鴉 夏コミ体験版


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■伝奇? ビジュアルノベル
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                             (2003.08.25)
▼概要・システム
 憂鬱な期末試験の結果も遥か彼方。明日から始まる冬休みに思いを馳せるクリスマス・イブ。終業式も終わり、友人たちと催されるパーティについて話を進めると、その前に行きたいところがあるからと、最近噂になっている学園北の公園、通称「異次元の森」と呼ばれる場所へ連れてこられる。なんでも、合い言葉を唱えて森に入ると、出てこれなくなるといわれているらしい。しょせん噂だし、と合い言葉を唱えて森に入る彼らは、そのまま森に囚われてしまうのだった……。

 範疇でいえば伝奇だろうけど、街の七不思議探検というかジュブナイルとかいった方がしっくりくるビジュアルノベル。プレイ開始時にふたりいる主人公のなかからひとりを選んでプレイできる。完成版ではどうなるか不明です。
▼シナリオ・テキスト
 ふたつのシナリオの舞台は同じだがストーリーは少し違う。これは、それぞれが同じ時間軸でのパラレルなシナリオではないかと予想される。この予想の元にどんなゲーム像になるかといえば、ちょいとわからない。街の七不思議、とりわけその象徴とも言える紫色の「黄昏鴉」を中心としたオムニバスになるのではないだろうか。
 テキストまわりは、あまり読んでいて楽しくない。だが、どういった展開にするんだろうと先は読みたくなるという微妙な感じ。シナリオの部分でも驚きのどんでん返しもなかったので、それほど評価は高くないです。
▼イラスト・グラフィック
 原画まわりは、それほどレベルは高くないです。とはいえ嫌悪感を抱くほど酷いわけではないので、好みの範疇での評価でいいと思います。塗りも同様かな。イベントグラフィックは1枚だけありました。立ちCGから想像できる範囲内のクオリティです。背景は実写で、若干のエフェクトがかかっている。背景によってかかり具合が違うように見えるのは錯覚かな?
▼サウンド・SE
 曲周りはそれほど悪くないと思うが、緊迫感のあるシーンなど勢いのあるシーンに使われている曲すべては、チープな音をただヤカましく流している感じで耳障り。それと、不安やら落ち込んだりと真剣ないるシーンではサッと無音になるのが残念。また、場面転換の前後に使われる曲が同じだった場合、途切れずに流れ続けるのはイイのか悪いのか判断に悩むところです。ただの場面転換なら気にしないが、アイキャッチ出しての場面転換は違うのではとか思うし。SEはなかった気がする。せめて、鴉の鳴き声ぐらいは欲しかった。
▼総評
  諸手をあげて他人に勧められる代物じゃないし、それほどクオリティの飛び抜けたところもない。でもまぁ嫌いじゃないし、手にとってみてもいいかな、っていうのが正直なところ。七不思議を扱っているがホラーじゃない。それについての明確な謎解きもなく(原因の究明はされていない)、キャラクターたちが「なんだったかわからないけど、無事帰ってこれてよかったよね?」という、意図的に狙ったのかどうかわからないが、読後にしっとりさせる終わり方だ。
 ただ、2つのシナリオはちゃんと結末まで描かれているので、これのどこが体験版なのか少し悩むところ。やっぱり、7つのシナリオ構成(七不思議ネタだから安直のそう思っただけです)で、全部遊ぶと謎が解けるとかになるのだろうか。
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