白の魔姫 体験版 | ||
■漢字トひらがな ■吉里吉里2/KAG3 ■伝奇ビジュアルノベル ■18禁 ■値段忘却 100円か200円だったと思う ■サイトは無いようです (2004.03.07) |
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▼あらすじ | ||
たまたま。 そう、たまたまこうなってしまった、というのが正しいのだと思う。 ちょっとコンビニへ買い物に出かけた。行って帰ってくるだけ。 ただそれだけだったはずなのに、今、俺は化け物に追われている。 得体の知れないモノだが、ヤバいことだけは分かる。 捕まったら最後だ。死ぬ。殺される。直感が、本能が、とにかく逃げろと命じる。 しかし、病み上がりの身体はそれに耐えられず、足がもつれて転んでしまった。 ようやくあきらめがついたのかと、そんな顔で化け物がゆっくりと歩み寄る。 目の前に迫り、開いた顎からのぞく無数の牙。 ああ、俺はこれに喰われて死ぬのか。 震える体でその瞬間を待っていたが、それが訪れることはなく、 それどころか化け物は横倒しになっていた。 何がなんだか分からない。分かっているのは生きているということだけ。 「大丈夫?」 混乱している俺に、少女の声が届く。 彼女は俺の傷を治し、化け物の痕跡を消し、ひとつ忠告を残して去っていった。 「しばらくの間、夜中に外出するのは控えた方がいいわ」 これが病の果てに見た夢ならどれだけよかったことだろう。 だが悪夢のような現実であり、これから起こることの序章にすぎなかったのだ。 |
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▼概要・システム | ||
背のちっこい高校生の少年を主人公としたビジュアルノベル。得体の知れない方々が、彼を巡ってなにやら起こすような、そして彼は彼で目的に突っ走る感じの物語っぽいです。 使用システムは吉里吉里2。特に変なことはしてないようです。アーカイブが掛けられていないため、スクリプトなどを見ることができます。見た感じコピー&ペーストの多用しているので、まだそれほどいじり慣れてないのかもしれません。またフラグの立ち具合にもよりますが、最後の最後でフリーズします。確率的には結構高いと思う。 |
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▼シナリオ・テキスト | ||
プロローグは巻き込まれ型、それ以後は渦中特攻型のシナリオっぽいです。頭の上がらない居候先の娘兼幼なじみに(愛情表現として)虐められ続けている主人公が、深夜に鵺のような化け物に襲われたところを謎の少女に助けられ、数日後によく似た少女が同じクラスに転入してくる、といったところから話は始まる。彼女の登場によって主人公の周りに色々な事が起こる、とかそんな感じです。その間のカットに、主人公たちを眺める謎の人たちの会話が挿入されており、いかにも「何かありそう!」な雰囲気を頑張って作ってます。この謎の人たちの会話、キャライラストもないわ背景画像もないわで、ほとんど印象に残らなかったりするのは体験版だからですかね。読んだ感じでは、この主人公、すごい力を持ってるというより、何かの触媒として狙われるんじゃないかとか思ってます。 まだプロローグのような状態なのでお話にケチつけるところはないですが、付けるとしたら日付関連かな。スクリプトのファイル名は日付で構成されているのに、作中ではテキストのまずさや表現不足でほとんどわかりません。日の最初などに日付を挿入してもよいのではないかと思います。 テキストはかなり読みづらくて退屈です。読みづらい理由は、文字量の多さと一文の長さ。全編を通して文字量が多いのはかまわないのですが、毎ページこれでもかというぐらい画面を文字が埋め尽くします。加えて一文が3ラインにも4ラインにも及んでおり、長くて読みづらいのです。「読ませるために構成した文」というより「書くために書いた文」、第一校をそのまま載せているテキスト、という感じ。もう少し読み手に優しく、歯切れのいいテキストにした方がよいのではないかと思います。一文が長いためにテキストが収まらず、次のページの1ライン目で終わる、というのもかなり見苦しいですね。クリアするとオマケが登場して、攻略可能ヒロインとのエッチなテキストが見られます。が、ここに到達するのは至難の業だと思われます。かなりピンポイントで選択肢を選ばなきゃなりませんから。 |
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▼イラスト・グラフィック | ||
キャラクターイラストは、かなり荒いが非道すぎるというほどではない。レベルが高いとはいいませんけど。塗りの方はものすごく頑張りましょうといったところ。ささやかに色の濃淡はついていますが、よーく見ないと分からないレベル。スカートなどわずかにグレーの部分があるが、ほとんど黒い固まです。キャラクターの輪郭など黒い部分がかなり濃く出ているので、夜のシーン(真っ暗な背景でも可)では、キャラクターと背景との区切りがはっきりしない。これに文字が被さると、さらに輪郭はぼけ、グラフィックとしてのキャラクターは死んでしまっているも同然。夜の背景は、黒よりもブルー(紺?)っぽい色合いにした方がよいのかもしれない。表情差分はない、と思う。データ上、1キャラ2枚ばかし入っているが、容量同じだしマスク用の画像ではないかと思ってます。背景は実写にエフェクト。だが、背景が無く黒ベタな背景もかなり多い。せめて、体験版の範囲内で使われる背景ぐらいそろえようよ、とか突っ込みたくなります。 | ||
▼サウンド・SE | ||
ナシ。完全無音状態です。SEもありません。 | ||
▼総評 | ||
面白くない、というのが率直なトコロ。 シナリオ面でいえば、面白いとかきっちり判断するほど入ってませんが、テキストを読めば読むほどうんざりして苦痛です。とにかく、読みづらい。読んでいて面白くない。それに加えて全体的に荒い造りなので、評価も二段階ぐらい下げ、という感じになってしまいます。テキストはもうちょっと読みやすく、キャラクターの輪郭は背景と文字ウィンドウに負けないぐらいはっきりと、そしてせめて何かしら音楽を、といった部分は最低限手を入れた方がいいと思います。 そして、重要なマイナス点がバグです。最後の選択肢直後でフラグの立ち具合によっては確実にフリーズします。原因は簡単なの記述ミスで、もう片方のルートなら安全なのですが、HPがないのでサポートを受け付けているかどうかが不明なのです。焼いた日を見ると2003/12/14なので、焼いたあとのデバッグを怠ったのか、サポートの意志がないのかと感じられてしまいます。すべてを知っているからこそフリーズに遭遇しなかったのかもしれませんが、こういった部分に関しては他のサークルさんも細心の注意を払って欲しいですね。 それよりなにより、スクリプトが見られるからといってミスを捜して書き換え、プレイを続行するプレイヤーってヤな感じとか自分で思ったり思わなかったり。 |
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