闇夜の君〜終夜の影法師〜 本編ver0.31

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                             (2003.06.26)
▼概要・システム
  大学への進学を目指し、予備校に通う主人公・藤衛宗。
予備校の仲間たち、そして彼女とすごすたわいなくも楽しい日々を送っていた。そんな普通の幸せは、突然、崩れ去った。猟奇的な殺され方で命を落とした彼女。仲間たちの見えない気遣いもあり、ようやく日常を取り戻しつつある宗。だが、彼らの前には新たな影が忍び寄っていた…………。

 以前は伝奇+サイコ+ミステリな作品だと思っていたが、今回のところでほぼ、伝奇ビジュアルノベルに確定。輪廻転生モノが混じっているので、その辺りが苦手な人は注意。以前(2002年夏コミver)の体験版を遊んだことがあるので、このレビューはそれを前提にしたような比較が多くなります。春レヴォでゲットしてきたものですが、2002年冬コミの体験版と同じようです。
▼シナリオ・テキスト
  プレイできるシナリオは、CDに入っていた開発者テキストから察するに1シナリオ分。それでもちゃんと完結しているのかどうか、ちょっと怪しげなすべてが未解決なルートです。「誰かの意識にシンクロして知人を殺害する夢を見る」など、ネタの雰囲気としては『痕』が一番説明しやすいタイトルですが、あそこまで面白くありません。だいぶ唐突なシナリオ展開です。途中、「ここは選択肢があったっぽいが、体験版だけにわざと取っ払ったのだろう」という点もありますが、それを差し引いてもシナリオ展開は急で説明不足の感アリです。あと、バリバリ人が死にます。
 テキストはそれほど問題はないと思いますが、複数人の会話が連続する場面が多く、誰がしゃべっているかわからなくなることが多いです。また、カギカッコが連続するところで1ラインあけるっていうのは普通なのかどうなのか疑問です。
▼イラスト・グラフィック
 原画は、現時点ではナシ。というのも、『かまいたちの夜』などのように、主要キャラクターはブルーのシルエット(死んだ人は黄色のシルエット)で表示されているからです。なので、表情やらなにやら一切ありません。そういった点も、本来すべてテキストで表現しなくてはならないのですが、描写不足のような気もします。CDの盤面にはキャラクターイラストが描かれていますし、スタッフロールにはキャラクターデザインの名もありますので、いずれはちゃんと描かれるのかなぁとは思います。キャラクターがシルエットだけ、というのも誰が何を喋っているのかわかりにくい一因ではないかとも思っています。イベントグラフィックのようなものはありません。背景は実写にエフェクトをかけたものです。
▼サウンド・SE
 曲は10曲。そんなに悪くないし、立派なBGMとして機能していると思う。戦闘シーンの曲はいい感じです。SEはまったくなし。
▼総評
 以前の体験版にくらべれば、徐々に完成に近づいているとは思うが、まだまだ先は長そうです。話の一部でしかないとはいえ、プレイできたストーリーの展開が唐突であったためか、あまり面白くないと感じました。伏線もまったくないですしね。せめて、もうひとひねりは欲しい気がします。あとはキャラクターをどうするか、ではないでしょうか。シルエットだけでもかまわないと思いますが、引きが弱いし、なにより誰が誰だかわかりにくいというのもあります。
 それらを差し引いても、伝奇ものですが輪廻転生ものはあまり好みではないの
で、個人的には今後ゲットに走るかどうかちょっと微妙です。
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