サピロスの魔法 体験版

■C.H.E
■RPGツクールVX
■RPG
■全年齢
■たぶん無料配布
http://recife.sakura.ne.jp/ms/

                                 (2010.03.09)
▼あらすじ
 むかし、あるところに「キュアノエイデス」という魔法の国がありました。
この王国は、魔法を封じ込めておける「魔石」が発掘でき、その恩恵を受けて国民の誰もが魔法を使うことができ、みんなが幸せに暮らしていました。
しかしある日、真っ赤な雷が王城に落ち、それをきっかけに魔物が王国に襲いかかってきたのです。やがて王城は乗っ取られ、国は魔物に支配されてしまうようになりました。

 あれから約2年、魔物が支配するこの国に一人の少年がこの国に現れたのでした……。
▼概要・システム
 失われた王国を魔物の手から取り戻すため、年増好きの王子・ラルフが戦いを挑むRPG。外面はいいけど、微妙に性格の悪い王子様が主人公です。
 システムは「RPGツクールVX」。実のところ、このシステムの詳細はよくわからないので、色々間違っているかもしれません。できればご容赦願います。

 ゲームのシステムは、画面見下ろし型のRPG。フィールドはフィールドマップ、村や街、ダンジョンの3タイプ。
 フィールドマップはキャラクターが非常に小さく、縮小マップ上を歩いているといった感じ。村や街、ダンジョンに入るには、その施設の上に乗りエンターキーを押す。
 村や街は、アイテムの購入や情報収集などを行う場所として機能している。ただ、魔物に支配された国ということで武器や防具の購入はできない。全体的にちょっと広く、それ自体は特に問題はないのですが、フィールドマップへ出るための出入り口が1ヶ所しかなく、街から出るのに少々手間取るところがある。出入り口を増やしてくれると嬉しい。
 ダンジョンは村や街と同じ比率のフィールドで、フィールド上にモンスターが彷徨いており、それとプレイヤーキャラが接触することで戦闘となります。フィールド上のモンスターを倒すと画面上から消え、フィールドを切り替えない限り増えることはありません。なお、現状ではダンジョン以外にモンスターは登場しません。
 戦闘はコマンド形式。「たたかう」「オート」「逃げる」がメインの戦闘コマンドとなります。「たたかう」後に出現するコマンドは、「アタック」が通常攻撃、「スキル」が魔法攻撃、「ガード」が防御、「アイテム」がアイテム使用。「オート」は自動で通常攻撃を行うコマンドですが、1ターン限定です。せっかくのオートなんだから、戦闘が終わるまで(もしくはキャンセルするまで)にしても良かったのではないかと思う。「逃げる」は戦闘からの逃走です。結構成功率は低くて、戦った方がいい感じです。敵に攻撃がヒットすると、その瞬間だけHPバーが見えて、ダメージ数値と共に大体の敵HPが分かります。ですが見えるのは攻撃ヒット時の瞬間だけなので、それほど便利とは言えません。常時表示するか、もしくは完全に見せなくともいいのではないかと思います。また、行動やダメージは文字で表示されるのですが、あまりにスピードが早くなんだかよくわかりません。戦闘スピードアップは確かに必要なことかもしれませんが、せっかく表示するなら読めるようにして欲しいと思います。
▼シナリオ・テキスト
 かつてこの国の王子だったラルフが、魔物の手に落ちた王国を取り戻すために「青のかけら」という魔石を集めるというストーリー。物語を進めていくうちに仲間が増えていくという、よくある普通のRPGっぽい展開になっていくようです。体験版では仲間がひとり増え、ダンジョン2つをクリアするところまでで、プレイ時間は30分ほど。この後、物語を進めていくと最大で4人パーティになるらしい。あとはクールな軍師役とお気楽担当のお姉ちゃんだろ! とか思うのですが、どうなるかは分かりません。サークルサイトを見て夢想するとよいかもしれません。
 ストーリーとは直接関係ありませんが、入れるところになやんだのでここで書きますが、バランスについては悪くありません。でも、回復アイテムを持っていないとちょっと厳しいかな。だいたい目的のダンジョンで1-2レベルあげると、ボスと良い感じで戦える感じです。レベルアップ時にHPやMPは回復しません。ですが、ダンジョン内に回復ポイントがあるので、まぁなんとかなります。
▼イラスト・グラフィック
 「RPGツクールVX」にサンプルはたくさん入っていますが、このゲームではキャラクターの顔グラフィックはサークルのオリジナル。すっきりとした漫画チックな絵柄ですが、特に問題はありません。同じ絵柄で立ちグラフィックもありますが、これも問題ナシです。フィールドで表示されるキャラクターのドット絵もオリジナルみたいで、良くできています。敵モンスターのグラフィックやドット絵、フィールド画面関連のグラフィックは、おそらく「RPGツクールVX」のサンプルをそのまま使っているのではないかと思います。つまり、こっちのクオリティも問題なしです。
▼サウンド・SE
 サウンド関連も、特に表記がないことから「RPGツクールVX」のものを使用しているのではないかと思います。個人的な感想ですが、なんか『女神転生U』っぽい感じがする曲でした。
▼総評
 ごく普通のRPGとしか言いようがないRPGです。そういう意味ではあまり個性はありませんが、安心して遊べる感じはします。一風変わったものや、驚きやネタといったものを望む人には合わないと思います。
 ストーリーやゲームシステムについては上記の通りなのですが、基本的な部分というかシステム面はかなりおざなりな感じです。元となった「RPGツクールVX」の仕様なのかもしれませんが、まず画面が小さい。実質的なゲーム画面は560x420とかなり小さい。システムなどで画面表示切り替えができないため、ダンジョンやフィールドマップはかなり見づらい。メニュー画面でいつでもセーブできるのは嬉しいのですが、ロードができないのがちょっと残念。特にデメリットはないはずなので、ロードも出来るようにして欲しい。ついでに、メッセージスピードの変更もできると嬉しいかな。
 また、ダンジョンではフィールドを歩くモンスターが見づらいという問題もあります。特にダンジョンなど暗い場所ではモンスターがどこにいるか視認できず、気が付くと戦闘にはいるということが少なくありません。ダンジョンを暗めにするというのは演出上のことなのでしょうが、フィールド上にいるモンスターがどこにいるかわからないのでは、仕様上の欠陥、とまでは言わなくてもただの意地悪ではないかと思います。この問題は、画面の小ささも影響しています。敵と接触して戦闘になるという仕様ならば、せめて敵がどこにいるかハッキリ見えるようにしたほうがいいと思います。ああ、それと操作方法やシステムについての説明テキストなどが、まったくありません。キーボードまたはパッドで操作可能なのですが、どのボタンがどんな機能を持つのか(特にキーボードの場合は、完全に手探りになる)まったく分かりません。やれば分かるだろといえば、確かにその通りではあるのですが、プレイヤーに対してプレイするために最低限の情報を与えるものは必要だと思う。

 個人的には買ったら遊ぶとは思うが、頑張って買おうと言うほど惹かれるところはない。まぁ多少の問題点はありますが、我慢できるかな? というレベルです。もっとも、我慢してまで遊ぶギリはないんですけども。体験版で30分ほどと考えると、おそらく完成版は4-5時間でクリアできるゲームになるのでしょうか。奇をてらったものじゃなく、ごくごく普通っぽいRPGがやりてーという人向けのゲームじゃないかと思います。あと、王国を取り戻してハーレムを作るんだーという主人公(どうみても少年です。マセガキです。本当にありがとうございました)に共感できる人はぜひどうぞ! なお、ランスほど直球じゃありません。クールに表面と隠れた裏面を使い分けるタイプの主人公です。はい。
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